OLIVE

松任谷由実( Matsutoya Yumi ) OLIVE歌詞
1.未来は霧の中に

作詞:YUMI MATSUTOYA
作曲:YUMI MATSUTOYA

Faubourg Saint-Honore
伝説の並木通り
古い雑誌をめくれば
カルダン et クレージュ
宇宙服 流行りし頃
科学も夢を見てた

東京のまちはオリンピックひかえ
まるで絵のように時が過ぎた
私は9つ 覚えているのは
まだ 未来が霧の中

ある日目覚めるとテレビジョンには
月を歩いてる飛行士がいた
私は13 初恋失くして
もう 恋はみんな同じ
そのうち誰かが火星に降りても
もう 愕かないでしょう


2.青いエアメイル

作詞:YUMI MATSUTOYA
作曲:YUMI MATSUTOYA

青いエアメイルがポストに落ちたわ
雨にしみぬうちに急いでとりに行くわ
傘をほほでおさえ待ちきれずひらくと
くせのある文字がせつなすぎて歩けない

ときおり届いたこんなしらせさえ
やがてはとだえてしまうのかしら
けれどあなたがずっと好きだわ
時の流れに負けないの

冬は早く来る あなたの町の方が
最後に会ったときのコートを着ていますか
5年 いえ8年たってたずねたなら
声もかけれぬほど輝く人でいてほしい

選ばなかったから失うのだと
悲しい想いが胸をつらぬく
けれどあなたがずっと好きだわ
時の流れに負けないの
けれどあなたがずっと好きだわ
時の流れに負けないの


3.ツバメのように

作詞:YUMI MATSUTOYA
作曲:YUMI MATSUTOYA

もう会えない 彼女の最後の旅
サイレンに送られて遠ざかる
誰かが言った あまり美人じゃないと
ハンカチをかけられた白い顔を

高いビルの上からは 街じゅうが
みんな みんな みんな
ばからしかったの
ああ 束の間 彼女はツバメになった In Rainy Sky
なんて肌寒い午後でしょう

もう会えない 彼女は年をとらず
生きてゆく私には 綺麗だわ

哀しいリムジン 彼女の最後の旅
裏切った恋人のせいじゃない
薔薇のように 舗道に散った汚点を
名も知らぬ掃除夫が洗っている

どんな言葉に託そうと 淋しさは
いつも いつも いつも
ひとの痛みなの
ああ 束の間 彼女はツバメになった In Rainy Sky
流れる記憶は走馬燈

もう会えない 彼女の最後の旅
サイレンに送られて遠ざかる


4.最後の春休み

作詞:松任谷由実
作曲:松任谷由実

春休みのロッカー室に
忘れたものをとりに行った
ひっそりとした長い廊下を
歩いていたら泣きたくなった

目立たなかった私となんて
交わした言葉数えるほど
アルファベットの名前順さえ
あなたはひどくはなれてた

※もしもできることなら
この場所に同じ時間に
ずっとずっとうずくまっていたい※

もうすぐ別の道を歩き
思い出してもくれないの
たまに電車で目と目があっても
もう制服じゃない

窓の近くのあなたの机
ひとりほおづえついてみる
ふたをあけると紺のボタンが
隅のほこりにまぎれてた

(※くり返し)

もうすぐ別の道を歩き
思い出してもくれないの
そよ風運ぶ過ぎたざわめき
今は春休み 今は春休み 最後の春休み


5.甘い予感

作詞:YUMI MATSUTOYA
作曲:YUMI MATSUTOYA

Wow Wow Wow
あなたの耳のむこう
夕陽がきれいね
息をかけたら 消えそう
いまから 私達のハートは
すべりはじめるの 甘い世界へ

夏がゆく頃に 恋もおわるって
だれがきめた 悲しいこと
私 信じない

あなたの肩に 顔を埋めた
色あせる空が せつなかったの

Wow Wow Wow
ふとつけたの カーラジオ
流れてくるのは ビーチボーイズ
潮がひくように 愛も消えるって
誰が最初 いいだしたの
私 信じない

※いまから 私たちのハートは
すべりはじめるの 甘い世界へ
私たちのハートは
すべりはじめるの 甘い世界へ※

(※くり返し)


6.帰愁

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

許してほしかった ふざけすぎた私
ひさしぶりのそのまなざし さよならがこわくて
私の名前を呼び捨てにできない
遠くなったあなたがいた ゆうべは目の前に

あの日からの悲しみを 素直に云えたら
もう一度 髪にふれてくれたの

※ラララララ はじめてあなたと どこで逢い
ラララララ いつからあなたと愛し合い
ラララララ 渇いた瞳が離れない
それから なみだ雲ばかり※

弱い心には嘘も忍び込むわ
忘れるため身をゆだねた ゆきずりのひとたち
元気そうでよかったと あなたはわらったけど
云えなかった ああ本当は ずっと淋しかった

人ごみは何もきかず私を包んで
毎朝の駅へ流れてゆく

(※くり返し)


7.冷たい雨

作詞:YUMI ARAI
作曲:YUMI ARAI

冷たい雨にうたれて 街をさまよったの
もうゆるしてくれたって いい頃だと思った
部屋にもどって ドアをあけたら
あなたの靴と誰かの赤い靴

あなたは別の人と
ここでくらすと云うの
こんな気持のままじゃ
どこへも行けやしない

冷たい雨が降るたび あなたを思うでしょう
幸せにくらしてなどと願えるはずもない
夢の中に出てくるあなたは
やさしい面影だけでたくさん

だけど信じられない
突然の出来事が
こんな気持のままじゃ
どこへも行けやしない

彼女の名前 教えないでね
うらむ相手はあなただけでいい

涙こぼれるように 時もこぼれてゆくわ
指と指のすきまを そしていつか忘れたい
涙こぼれるように 時もこぼれてゆくわ
指と指のすきまを そしていつか忘れたい


8.風の中の栗毛

作詞:YUMI MATSUTOYA
作曲:YUMI MATSUTOYA

ある朝私は光る風にまたがり
煙った小路を滑るように駆けだす
一鞭強くあてるとすぐに
木立や雲は時間にとけて
哀しい告白を託した郵便を
とりかえすのよ とりかえすのよ
あなたはまだ気付かない
ノックをしたなら封を切らず渡して
今までどおりに笑いあえる人でいて

それから私は光る風につかまり
流れる世界に羽根のように震える
なぜか瞳うるんでくるのは
冷たい空気を吸い込むから
愛になど泣かない少し前の私
とりもどすのよ とりもどすのよ
何も見えなくなりそう
ある朝私は光る風にまたがり
あなたの町へと露をけって急ぐの


9.稲妻の少女

作詞:Yumi Matsutoya
作曲:Yumi Matsutoya

She's a lightning lightning Lightning Bolt.
She's a lightning lightning Lightning Bolt.

エンジン・フードで卵が焼けるほど
あの娘はとばして浜辺についた
ゆうべ天気図にたくさん線ひいて
台風の位置を確めたのさ

今日をのがしたらお目にかかれない
逆巻くチューブに鳥肌がたつ

白いしぶきが雲ならば hum
あの娘のボードは閃く稲妻

She's a lightning lightning Lightning Bolt.
She's a lightning lightning Lightning Bolt.
何のたしにもならないことに
ムキになれる あなたがいちばん好き

コーラの空びん並べるみたいにさ
あの娘は男をスラロームする
ゆうべ胸もとの双子座ペンダント
あとがつくくらい抱きしめたのに

今日をのがしたらお目にかかれない
バレーのようなカット・バックに

白いしぶきが帽子なら hum
あの娘は手品で飛び出す銀鳩

白いしぶきが雲ならば hum
あの娘のボードは閃く稲妻

She's a lightning lightning Lightning Bolt.
She's a lightning lightning Lightning Bolt.


10.りんごのにおいと風の国

作詞:YUMI MATSUTOYA
作曲:YUMI MATSUTOYA

ハロウィーン
木枯らしのバスが夕暮れの街を過ぎれば
うつむいた人々 どれもが似ている顔
たぶん あなたの愛した
私はどこにもいないの
若さが創った美しすぎるまぼろし

もういけない たずねてゆけない
わがままなあなたをゆるしそう

ハロウィーン
りんごのにおいと風の国へ急ぎます

ハロウィーン
いのこずち ひとつ
くちづけてセーターに投げたの
言えなかった想いを残らずこめるように
そして ストーヴの前で
ぬいだとき気づいて欲しい
小さなブローチ 短い秋のピリオド

もういけない たずねてゆけない
ひたむきなあなたを探しそう
ハロウィーン
りんごのにおいと風の国へ急ぎます
風の国へ急ぎます